Google、Android 7.0 Nougatの配信を開始、HTC製Nexusタブレット「Nexus 9」での使用感をチェック
Nexusデバイス向けにAndroid 7.0 Nougatが正式にリリースされました。HTCデバイスではNexus 9が対応していますので、使用感などをご紹介させていただきます。
パワフルな新機能
Android 7.0 Nougatはカスタマイズ性・生産性が向上し、これまでよりも柔軟に、そしてセキュリティやアップデートの機能も強化されました。ここで全てを紹介することは出来ませんので、個人的に幾つかかいつまんで紹介します。
タブレットにおいて有用なマルチウィンドウ機能
画面を2分割することで同時に2つのアプリを操作できる機能です。以前からSamsungのGalaxyシリーズで独自に実装されていた便利な機能とほぼ同じで、待望されていた機能のひとつだと言えるでしょう。Galaxyのマルチウィンドウはごく一部の限られたアプリでしか利用できませんでしたが、こちらは特別な対応をせずとも殆どのアプリでマルチウィンドウが出来ます。
タスクボタンを長押し、もしくはタスク一覧でアプリのサムネイルを長押ししたまま画面端にドラッグすることでマルチウィンドウを実行できます。解除するにはタスクボタンを長押しします。中央のディバイダーを操作するとウィンドウの比率を変更することが出来ます。非対応のアプリを利用しているときは実行できません。
スマートフォンでも使える機能ですが、タブレットのほうが大画面を有用に活用出来て嬉しい機能ですね。Marshmallowの頃に開発者向けの隠し機能として実装されていたものと比べると非常に安定して動作しています。マルチウィンドウはどちらのアプリも同時に動作するため、Youtubeなども一時停止されることなく動作しています。
各種デザインの変更やカスタマイズ性の向上
通知が広く表示され、見やすくなりました。クイック設定パネルも上位5つが小さく表示されています。下に引き出すといつも通りのクイック設定パネルが出てきます。右下に編集ボタンが表示されているので並べ替えは容易になりました。
設定も候補が表示されたり、各項目の下に現在の設定などが表示されるようになっています。表示サイズも設定から変更できるので、Nexus 9のような画面の大きなデバイスであれば項目サイズを小さくしてより多くの情報を表示するのも良いでしょう。
主な設定内容が表示されるように。
セキュリティ強化とアップデート
ファイル単位での暗号化や、ダイレクト ブートといったセキュリティに関する機能も追加されています。中でもソフトウェアアップデートはシームレスアップデートが採用され、”Nをベースに作成された新しいAndroid端末では”アップデートの為に時間を取られるようなことはなくなりました。
具体的には、システムパーティションを2つ用意しておき、実行されていない側のパーティションへバックグラウンドで更新。再起動時にアップデートされた側のパーティションへ切り替えを行います。これはChrome OSで採用された仕組みと同じもので、今後は長々とリカバリーモードの画面を見ることはなくなることでしょう。また、アップデート後に行われるアプリの最適化も、新しいJITコンパイラの採用により短縮され、最適化の画面を見ることがなくなるようです。
この仕組みによってアップデートの時間を短縮出来るだけでなく、もしアップデートに失敗してもアップデート前のシステムで起動してアップデートをやり直せるようになるので、安心してアップデートが出来ますね。
Android 7.0への更新方法
純正のシステムからOTAでアップデートを行うか、ファクトリーイメージを焼くことで更新します。ファクトリーイメージは執筆時点ではWi-Fi版のみ提供されています。
Nexus 9としては恐らく最後のメジャーアップデートとなるであろう今回のアップデート。画面の大きさを活かすことが出来るようになり、細かな点でも利便性が向上したように思います。今のところパフォーマンスも良く、安定しています。今年のNexusスマートフォンだとされるSailfishおよびMarlinにも期待が持てそうです。
Source：
Factory Images for Nexus Devices | Nexus Files for Developers | Google Developers
File System/Autoupdate – The Chromium Projects
Android NのOS Updateが速く安全になった理由はChromeOSにあった – Qiita
Google Developers Japan: Android の新機能: N リリース、バーチャル リアリティ、Android Studio 2.2 など